ダップルというのは品種名では無く、ミニチュアダックスフンドの毛色の通称で、Dappleは英語でまだら模様という意味があり、その名の通りまだら模様が愛らしいダックスフンドで、見た目の珍しさから人気があります。
半致死遺伝子という美しくも恐ろしい遺伝子
ダックスフンドは本来黒や茶の毛色ですが、ダップルのまだらな白い色は半致死遺伝子(またはマール遺伝子)が影響しています。
この遺伝子は単純に色を変化させるだけのものでなく、内蔵にも影響する事があり、その名の通り半致死遺伝子が及んだ場合その臓器は正常に機能しなくなってしまいます。
マールとはフランス語で「白いムクドリ」、本来であれば存在しないものを意味します。
ブルーアイはリスクが高い
ダップルにはブルーアイと呼ばれる透き通った薄い青目の個体が居ます。または、左右の目の色が違う、オッドアイの場合もあります。これも遺伝子が影響している為です。
すべての個体がそうとは言い切れませんが、弱視になったり視聴覚異常を患っているリスクが高いです。最悪機能しないどころか、目玉が萎縮して最期には溶けてしまう可能性もあります。
ダップル遺伝子持ち同士の交配はご法度
より美しいまだら模様を生み出す為にダブルダップルと呼ばれるダップル同士の交配をするブリーダーさんも居ますが、致死遺伝子同士の掛け合わせは、難聴・盲目・心臓疾患他、奇形・死産のリスクが上がる為、タブー中のタブーだと言われています。
よく考えて飼育を決めましょう
例えダブルダップルでなくとも、ダップル模様になる半致死遺伝子が目に掛かれば失明する可能性は充分有り得ます。ダップルは可愛らしさと引き換えにリスクの高い交配を行って誕生した不自然で可哀想とも言える生き物です。
もしもダップルを飼育したいとお考えなら、身体が弱くても途中で投げ出さない、そういったリスクや宿命の元に産まれた生き物であることを充分理解した上で迎え入れてあげて下さい。
みんなが買う(飼う)のを諦めればこの子達も数が減っていくんだけどね…無知で可愛いだけが理由で買ってしまうのはもちろんだけど、自分が飼ってあげなくちゃって庇護欲で引き取る事が更に需要を増してしまうことに気付いて欲しいな…